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コミックや小説の感想つれづれ書き~かなり雑多に

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2025.05.26
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カテゴリ:コミック感想

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火の鳥(4(鳳凰編)) [ 手塚治虫 ]
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不朽の名作「火の鳥」
この作品を読んだのは小学生の時、学校の図書館にあって、「まんがだし」ってことで軽い気持ちで読み始めたんですよね

さすがにこれ…小学生には早すぎた…と今になって思います。
小学生だったわたしは「怖い」が感想でしたよ…

でも読み切った!
けれどその時は怖いだけが印象に残ってしまったせいもあって、ほかの話を読む気になれなかったんですよね。

大人になってから文庫でですが全巻集めましたけれど。
そしてやはり結果的に一番好きな話が鳳凰編です。

「仏教」に対する痛烈な批判も描かれていて胸が苦しくなるほどなのですが、それは太陽編へと繋がっていきます。

鳳凰編では、我王と茜丸というメインの二人がいて、その二人が時に交わり時に別の道をすすみ…そんな中で「火の鳥」とかかわりを持つ。

茜丸が小鳥になって火の鳥にたいして「おばさんにずっと会いたかった」というんですよ、輪廻転生の中で、ですが。そして火の鳥が「さあ、みなさい」と自分の姿を、羽を広げて見せてくれるんですよ。火の鳥さん、大サービスです。が、このシーンが、初めて読んだ時もそうでしたが、いまでもなんでかすごく好きなんですよ。

火の鳥が色っぽいからか?

でも「みなさい」というシーンはほんとに惹かれるシーンだった。

茜丸は我王に利き腕をだめにされて、けれど悟りを開いたかのように素晴らしい仏師になるんですよね、一時期は。ブチ、という少女との出会いあたりから。この時茜丸は仏師として頂点に立ったのでしょう。

けれど、仏師として名をはせた「我王」と巡り会って、茜丸は凋落していく。
このあたりは本当に残酷で…けれどすごくリアルなんですよね。
切なくなるほどでした。

我王はといえば「師」と出会ったことによってある種の悟りを開いてしまう。これは「火の鳥」が求めるものでしたし、我王は火の鳥が時代に配した「猿田彦」のひとりなんですよね。これもまた残酷といえば残酷。

猿田彦、というのは道を示す存在の神ですからね…伊勢にも神社があります。交通安全とかのご利益で有名かな?

ともあれ「道」の象徴でもあるんですよ、「猿田」は。
このあたりは黎明編で出てきますね。

残忍な悪党だった我王が、やがては悟りを開いた仏師になり、世俗とかかわりをたって生きて…とある話で登場します。少しですが。

善人だった茜丸が世俗にまみれ、火に焼かれて死んでいく
悪人だった我王が悟りの道を進んで、長命を得て世俗を俯瞰する

この対比が怖くもあります。
だいたいわたしたちは茜丸のようになるのが確約されているといっていいでしょうから。

根が善人だったとしても、ある時ほんの小さなきっかけや、立場で、心は変わってしまうものだから。
けれど、茜丸にはせめてもの救いとしてブチがいた。

このわずかな救いがあるのとないのでは大きな違いで、茜丸を「自業自得だ」と蔑むことはできなくなるんですよ。
茜丸は読み手に近い存在といっていいかなと。
無垢だったこともあるけれど、保身のために心がけがれてしまうのも、なんかこう…わかるのだよね。

気の毒ではあるけど、一生をまっとうしたといえる人だろうとも思う。
火の鳥と出会うことはできたし、末期も火の鳥が迎えに来てくれた。

我王は気の毒なんてものじゃなくて、火の鳥に「道を示すもの」として役をふられちゃったもんだから、この先何度も悲惨な目にあわされるんだよねー

小学生の頃はただ怖いだけの漫画だったし、今でもそれはかわらなくて「怖い」話ではあるんですよ。

なにしろ圧倒的で緻密、濃厚な絵がどどーんっと展開されるんですから。
なんだあの緻密とか以前の絵は…デジタルじゃ表現できない、圧倒的画力…こんなん怖い以外にないわ…


わたしが子供の頃は「漫画なんか読んで」とバカにされるのがふつうだったんですが、それでも手塚治虫の火の鳥となると、漫画を否定する大人たちも黙るんですよね。

今では漫画だからって馬鹿にされることはほぼありませんが、それでも「ほぼ」なんですよね。

いい年して漫画読んでって、鼻で笑われましたもん、数年前ですよ…それ。

でも、やはり日本の漫画の力ってすごいんだぞって言いたい。

手塚治虫だけではない、たくさんの漫画家さん達が作り上げてきた日本の漫画、やはりすごいと声を大にして言いたいですね。


もちろんだめだこりゃなものだってありますが、そういうつたない漫画がたくさんあるからこその、日本の漫画でもありますからね。
すそ野が広いってのは、やはりそれだけの場の力ってのがあります。

だからいい年下BBAだけど、この先もいろんな漫画読んでいきたいなと思う次第ですよ





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最終更新日  2025.05.26 22:00:12
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