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3-04【天敵】


初稿:2011.01.18
編集:2023.05.24
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※レムリアSIDEです

3-04【天敵】




「とは言ったものの、水上艇を手に入れるアテもないしどうしようか……」

 残されたレムリアが思案顔で腕を組む。 ミュークの判断を仰げぬ以上、目立つ行動は出来るだけ避けたかった。 屍族特有の白蝋の肌は化粧で誤魔化してはいるが、勘の鋭い者なら違和感程度は抱くからである。

「ミュークさまは御者台はボロでも構わないって仰っていたけど、ある程度体裁は整えないと、出走前の審査段階で弾かれそうだし……」

 難題の山を前に立往生するレムリアが独り言ち続ける。 御者台の不備が原因で出走取り消しにでもなったら、理不尽なお仕置きの雨あられが降り注ぐこと請け合いであるからだ。 レムリアが不幸な未来を想像して顔面蒼白になっていると、

「まったく、お舟レースにでたいとは、ミュクミュクもお子さまですね」

 能天気を絵に描いたようなプルミエールが、肩を竦めてやれやれと溜息をついていた。 時折、姉姫を心配している様子も伺わせるが、良くも悪くも屈託の無い性格のようだ。

「ミュークさまの目的はお金のほうですけどね」

 レムリアがその場に居ないミュークを擁護したいのか、貶めたいのか、どちらともとれる微妙な発言をした。

「びんぼーさんなのですね」

「その点は、残念ながら否定できません。 というか、プルプルさん水上艇レースに詳しそうですね?」

 レムリアも随分とプルミエールとの意思疎通のコツを掴んだようだ。 舌足らずな台詞から欠損箇所を補って会話の成立を見事に図っていた。

「うにゅ、よいところに気づきました。 プルはお舟レースでイチバンになったことがあるのです♪」

 にんまり微笑んだプルミエールが誇らしげに胸を張る。 今回は珍しく内容を伴っていた。 もしかしたら、ずっと訊かれるのを待っていたのかもしれない。

「そ、それは凄いですね。 ―――て……え?」

 レムリアがポカンと口をあけたまま、相変わらず無駄に偉そうな人族の少女を見つめる。

「もしかして、その見事に優勝なさった時の水上艇―――いえ、お舟ってまだこの街にあったりしますか?」

 レムリアは少女の機嫌を損ねぬように一定の賛辞を送った後、本題に入る。 他愛もない会話の中から思わぬ糸口を掴みそうなので慎重である。
 受付で確認した限り、水上艇レースで使用される御者台は基本的に二人乗りの小型船である。 無論、小さいとはいっても容易に持ち運べるものではない。 破棄されていないのなら、この街の何処かに保管されている可能性があった。

「仕方ないですねー。 ついてくるです」

 プルミエールは口では面倒そうに、表情は満面の笑みで、レムリアの返事を待たずにズカズカと歩き出す。 どうやら、水上艇の在り処まで案内するつもりのようだ。

「あー、待ってください」

 人混みに不慣れなレムリアは、プルミエールの背中を見失わないよう必死に後を追う。 アルル=モア固有の体鳴楽器が鳴り響き、祭り一色に染まる街中を走り抜け、行き止まりの防水堤をよじ登り、複雑に入り組んだ水路脇の側道を壁に張り付きながら進むと、やがて、通行人の疎らな郊外地へと辿り着く。

「ここです」

 と、程なくしてプルミエールが立ち止まる。

「ゼェ…ゼェ……、市街を無駄に3週ぐらいした気がするのですが、ようやく着いたのですか?」

 プルミエール曰く近道という名の遠回りで苦行のような難路に、レムリアは息も絶え絶えである。 恐らく、単純に道に迷っていただけだと思うが、レムリアも疲れるので敢えて口にはしない。

「レムレムは運動不足ですね」

「ボクは頭脳労働専門なんです……。 そ、それにしても、本当にここでいいのですか?」

 レムリアは目前に聳え立つ謎の構造体を見上げて絶句する。 無理矢理言語化するなら、モクモクと煙を吐き出し続ける二本のニンジンを頭に生やした巨大なカボチャ。 くり貫かれた両目の部分に窓枠が嵌っていることから、かろうじて建造物の類だと認識できる。 門柱代わりに地面に突き立った橙色の物体―――恐らくこれもニンジンだろう、には“ラヴリー・ポウ技術工房”と表記された看板が吊り下がっていた。

「うにゅ、ここでお舟をつくってもらいました」

「へ、へぇ、そうなんですか」

 他愛の無い会話をしつつ、あまり理解したくない前衛的な造形芸術が所狭しと立ち並ぶ前庭を横切ると、かぼちゃ屋敷の正面に辿り着く。

「ラヴラヴ、あけるです!」

 プルミエールが巨大カボチャから突き出たラッパ型の器具に話しかける。 どうやら、外部と室内を繋ぐ通話装置となっているようだ。

「はっ!? あわわ……」

 と、レムリアが急に狼狽しだす。 ここまで来て、ひとつの可能性に思い至ったようだ。
 経緯はどうあれ、一国の第二王女を誘拐したのである。 安穏な旅路が続いた為に、追っ手が掛かっている可能性を喪失していたのだ。 市中に手配書が出回っている様子はないので、衛兵や関所番にのみ注意を払っていたが、プルミエール個人に面識があるとなれば、話は全く違ってくる。 この場を切り抜けても、事態が発覚すれば遅かれ早かれ、通報される筈である。 それは水霊祭に紛れて、王都アンディーンで路銀を稼ごうと腹積もりのミュークたちにとって甚だ都合が悪い。

「は、早く逃げないと……」

「レムレム、なにしてるですか」

 慌てて踵を返したレムリアの首根っこを、プルミエールが両手で掴まえる。

「放してください。 こんなところで死ぬのはイヤですぅ~」

 王族の拐取はまず間違いなく国家反逆罪にあたる。 おまけに屍族だと正体が知られれば、斬首は免れないだろう。 と、その辺は家主が誘拐騒ぎを存知していた場合の話だが、レムリアが一番恐れているのは、ミュークのお仕置きである。

「死なばもろともです」

 プルミエールが意味をわかって使っているのか、微妙な言い回しで開き直りを要求する。
 暫くすると、外の騒動を聞きつけたのか、カボチャの家壁に波型の切れ目が走り、まるで生きているように口を開いた。

「何方ですか?」

 誰何の声と共にのそっと巨大な影が姿を現す。 工房の外観も奇抜だったが、家主は輪をかけて型破りであった。

「ウ、ウサギ!?」

 暴れていたレムリアの身体が硬直する。 声質からうら若い人族の女性と思いきや、現れたのは巨大なウサギだった。 着ぐるみの類かと目を凝らしても、釦や務歯の類は確認できない。

「ひさしぶりですね」

 一方、プルミエールはこの奇妙な生物を見慣れているようで、驚いた様子は無い。

「これは、プルミエールさまではありませんか。 狭苦しいところですが、どうぞ中にお入りください」

 巨大ウサギは、思わぬ訪問者に驚いていたようだが、直ぐに歓待の意を示した。

「うにゅ、よきにはからになさい」

 プルミエールはど肝を抜かれて虚脱状態のレムリアを工房内に蹴り入れると、自分も招きに応じる。
 かぼちゃ屋敷の内部は、広大な蒸気機関区となっていた。 給炭台や給水設備、自動給炭機などが中央の長大な金属筒を囲むように連結されていた。 そして、そこから四方八方へと伸びる歯車機関が、ギコギコと引きつるような金属音を立てながら組み合わさって幾何学的な様相を醸しだしている。

「す、すごい……」

 上体を起こしたレムリアが巨大ウサギの肩越しに広がる光景に感嘆を洩らす。 知的好奇心が旺盛な屍族の少年は、重厚に連なる蒸気機関に圧倒されていた。

「それにしても、あついですね」

 一方、知性とは無縁なプルミエールが不満の声を洩らした。 蒸気熱にあてられた少女の頬が僅かに火照っているが、排熱用の大型換気扇が配備されている為、内部は思いの外、快適な空間だった。

「すいません、今停止させますね。 それと、先程から気になっていたのですが、其方の殿方は?」

 巨大ウサギがプルミエールの足元で腰を抜かしているレムリアに視線を向ける。

「ひっ……、あ、あのボクは……その……」

 小さな悲鳴と共に、レムリアの両眼に動揺の色彩が滲む。 巨大ウサギの反応から、プルミエールの誘拐騒ぎが、公になっていないことは確認できたが、別の意味で怯えているようだ。

「これはレムレム。 プルの下僕です」

 プルミエールが手近な作業台に飛び乗って代弁する。 動揺するレムリアとは裏腹に少女はまるで自分の家のように寛いでいた。 すると、無造作に脱ぎ捨てた外套の頭巾の中から、モゾモゾとミュミュが這い出してきた。 どうやら、ずっと隠れていたらしい。

「ああ、新しい従者の方でしたのね。 これは失礼致しました。 わたしはこの技術工房の主、ポウ・アルス=ニーゼルと申します」

 レムリアの立場を考慮したわけではなさそうだが、上手い具合に会話が噛み合っていた。

「あ、はい、ボクはレムリア・グリンハルトと申します」

 外見はともかく、中身はまともそうなので、レムリアもほっと一息をついた。 真逆の性質を持つ人物が身近に多いので、それよりは幾分マシだと感じたようだ。

「立派なお名前ね。 貴族のご出自でいらっしゃるのかしら?」

 巨大ウサギこと、ポウは慎重に言葉を選び尋ねる。 西大陸の大半の国家では市民階級は姓、つまり家名を名乗ることを許されていないのである。 この時代、王族が貴族の妾腹を従者とすることはさほど珍しくはなかった。 王家への忠誠、そして、跡目争いの火種を処理する為である。 実際、プルミエールの本当の従者でもあるアリエッタは、アダマストル公国内でも屈指の名家であり、宗教世界に多大なる影響力を誇るルーンフォルテ家の出身である。

「え~と、そのようなものです」

 レムリアが言葉を濁す。 流石に屍族だと正体を明かせるわけもない。

「立派にお勤めを果たしなさいませ、延いてはそれがアナタの、そしてお家の幸福に繋がります」

 ポウは王侯貴族間の慣例にも通じているようで、深くは追求しなかった。

「は、はい、頑張ります」

「それで、此度はどのようなご用件でございましょうか?」

 レムリアの素直な反応に満足したようで、ポウは閑談なく切り出した。

「うにゅ、“すぺしゃるデンジャラス号”はありますか?」

 プルミエールが謎の単語を口にする。 それが求める水上艇の船名なら限りなく不吉であった。

「あら、水上艇レースの件でいらしたのですか、それは丁度よかった。 今、その件に関して打って付けのお客様を迎えていたのですよ」

 ポウが大きな頭部を上方に傾ける。 外観からはわからなかったが、二階建てらしく、中央の吹き抜けの奥に上層に続く螺旋階段があった。

「シャルロットお姉さまの安否が気遣われる有事に、随分と暢気なことですわね」

 そこから、咎めるような声と、規則正しい靴音が響く。 一同が見上げると、銀髪をリボンで結った少女が、流れるような足取りで螺旋階段を降りてきた。

「プルミエールお姉さま、お久しぶりでございます」

 銀髪の少女は、大きな双眼と同じ翠玉色を基調としたドレスの裾を持ち上げて一礼する。 一挙一動から清楚な雰囲気が滲み出ていた。

「ユ、ユユユユユユユ……ユイユイ。 な、なぜここに!?」

 一方、清楚さとは無縁のプルミエールは、あからさまに狼狽していた。

「あら、お忘れですか、此度の水霊祭にはアダマストルの失われた技術(ロストテクノロジー)学術探査機関も技術提供致しておりますのよ。 副所長兼、実施責任者、加えてアルル=モア王家とも縁戚であるわたくし―――ユイリーン・リュズレイが、両国の友好の証としてここにいるのは当然でございますわ」

 ユイリーンは手の甲を口元に当てて、優雅に笑う。 この人物がアダマストルの第三王女であるのなら、齢十歳にも満たぬ少女である筈だが、その物腰は姉姫であるプルミエールよりも遥かに大人びていた。

「ぐぬぬ……、まちぶせとはヒキョーな」

 プルミエールが奥歯をギリギリと噛み締めて、腹違いの妹を睨みつける。 目の前のユイリーンは、父親は同じだが、母親が違う異母姉妹である。 プルミエールの実母であるエレシアムの死後、父ルクサーが後妻として迎えた、エレシアムの双子の妹ソフィアの吾子であった。

「相変わらず他人の話を聞かないですわね。 わたくしは一月も前からアンディーンに滞在しておりますわ。 此度は別件で、ポウさまにお話があっただけです」

「ええ、ユイリーンさまには先日、ロアの湖底で発見されたノルドの遺産に関して、いろいろとお知恵を拝借しております」

 ユイリーンの言葉をポウが裏付ける。

「ノルドの遺産が発見されたのですか!?」

 と、その会話に真っ先に反応したのはレムリアであった。 ノルドとは、神代から連なる黎明期にこの地を支配していた巨人族の王の尊称である。 先程、ユイリーンが話したロストテクノロジーも、この工房内に広がる蒸気機関と同様に、ノルドの遺跡から発掘された遺産のひとつに数えられている。

「はい、先日、水霊祭に即してロア湖の水質調査が行なわれたのですが、その際、湖底に地滑りの跡と、巨大な建造物が確認されたと報告がありました」

 ポウが詳細を説明する。 加えて、この発見が、近年、アルル=モア一帯で多発した小規模地震が齎した偶然の産物であることも付け加えた。

「ポウさま、お口が軽いですわ」

 ユイリーンが眉を顰めて苦言を呈する。

「アダマストルの姫様方は、アルル=モアの王室とも血縁でいらっしゃいます。 国家の秘密を知る権利はあるでしょう。 それにこの件は水霊祭後に公式に発表される事柄ですから、大きな問題にはならないと思いますが?」

 現アルル=モア公主であるカタリナ・アヴィスは、プルミエールの実父ルクサー・アヴィスの実姉に当たる人物だ。 特殊な事情で婿入りしたルクサーの籍は未だにアルル=モアに残っており、同国の王位継承資格を維持したままなのである。 世襲制度であるアルル=モア王室において、未婚であるカタリナが明確に後継者を定めていない以上、歪なカタチではあるがプルミエールとユイリーンは、ここアルル=モアにおいても有力な王位継承者になり得ていた。

「でも、ノルドの遺産が湖底で見つかるなんて意外です」

 もっとも、この件に関して多大なる興味を示しているのは、知識欲が強いレムリアである。

「確かに、テトラモルフ大灯台然り、空中都市ニクネベェン然り、巨人族の技術の大半は天を目指す為に、築き上げられたといっても過言ではありませんわ」

 負けずとユイリーンが己が領分とばかりに、熱弁を振るう。

「ちょっと待ってください。 大灯台と空中都市を建造したのは屍族です。 ヤガ=カルプフェルトに現存する天地戦争に関する文献がそれを証明しています」

 だが、この手の議題では、レムリアも譲らない。

「ノルドの遺産に関する第一人者であるわたくしに意見するとは、生意気ですわね。 古代グリーニアル期の文献の大半は焼失しておりますし、情報の断片だけを取り繕って、安易に曲解すればそういった愚説も成り立つでしょう。 ですが、現実に今の屍族たちが、ノルドに匹敵するほどの科学技術を持ち合わせているでしょうか?」

「そ、それは……、きっと何か理由があって……。 そ、それに、テトラモルフ大灯台には、グリムデンの血統アルカナが存在していましたし……」

 ユイリーンの合理的推論に、レムリアは苦し紛れの反論を試みるが、それが不味かった。

「随分とテトラモルフ大灯台についてお詳しそうですわね。 穴だらけの愚見ですが、まるで直に見てきたように聞こえますわ」

 ユイリーンの双眼がすぅーと細まる。
 ノルドの遺産を研究する者たちにとって、テトラモルフ大灯台は垂涎の調査対象である。 しかし、遺跡を所有するサリナハーム公国は世情不安を理由に、他国からの共同調査隊の申し入れを拒絶しているのだ。

「い、いえ……、噂で小耳に挟んだ程度です」

 レムリアが失言を誤魔化すように、口笛を吹く。 良くも悪くも嘘が下手な性格である。

「むぅ、レムレムはなにを言ってるですか、プルのだいかつやくをわすれたですか? そもそもアソコで―――モガ」

「アハハ、何を言ってるんですかねー」

 レムリアが火に油を注ぎ捲くるプルミエールの口を両手で塞ぐ。

「まぁ、いいです。 アナタが何者であるのかは後程精査致しましょう。 ですが、天地戦争の内実がどのようなものであったにしろ、そこで用いられた技術は、ノルドのものであったとわたくしは仮説していますわ」

「き、きっと、そうです。 そうに違いありません」

 あっさり手の平を返すレムリア。 早々にこの話を切り上げたいようだ。 それも仕方が無い、様々な問題をすっ飛ばして、盗掘者疑惑が急浮上中なのだ。

「とはいえ、わたくしとここまで議論できる存在も久方ぶりですわ。 プルミエールお姉さま、此方の“見慣れぬ”従者の方をわたくしにお譲りくださいませ」

 ユイリーンは当人の意志を無視して、いきなりとんでもないことを口にする。 この姉にしてこの妹ありか、如何に表層を取り繕うと、血は争えないらしい。

「レムレムはプルの下僕なのでダメです」

 プルミエールが拒絶する。

「無論、タダでとは言いません。 どうせ、また無断でお城を飛び出されたのでしょう?」

「な、なぜ、それを!?」

 ユイリーンに耳元で囁かれてプルミエールが鼻白む。 喋れば喋るほど墓穴を掘ることになりそうだ。

「だと、思いましたわ。 先程の条件を受け入れてくだされば、見逃して差し上げてもよくってよ。 それにアナタもプルミエールお姉さまの下で奴隷生活を続けるよりは、知的で有意義な毎日を送りたいのではなくって?」

 前者はプルミエールに、後者はレムリアへと向けられた言葉である。

「ボクはプルミエールさま個人に忠誠を誓っていますので、その質問にはお答えできません」

 多少、心が揺れたがレムリアは忠臣を装って矛先を回避する。 アダマストル王家に仕える従者と名乗った以上、下手に拒絶して、怪しまれるわけにもいかない。 よって、意志の決定を主人役に委ねたのだ。 このプルミエールという少女は、“自分のモノは自分のモノ”どころか“他人のモノまで自分のモノ”というぶっ飛んだ発想の持ち主なので、そう易々と譲歩するわけもないだろうと高を括っていたのだが、

「うにゅ、よきにはからいなさい」

 が、呆気なく了承される。
 こうして、レムリアはユイリーンの従者へと配置転換する破目に陥ったのであった。



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